ガソリン直噴エンジンは、性能・燃費向上の要となる技術でガソリンエンジンの進化に多大な恩恵をもたらしました。しかしながら、今だ完全には解決できていないカーボン堆積による不具合問題があります。さらに今までの燃料添加剤では落とせていた成分では直噴エンジンには対応しきれません。ここではなぜ直噴エンジン専用の添加剤が必要なのか、その違いについて解説します。
直噴エンジンとポート噴射エンジンの違い
ポート噴射エンジン:燃料はインテークマニホールドで噴射され、エンジン燃焼室に入るまでに燃料と吸入空気が混合します。この過程でインテーク側の汚れは常にガソリンで洗われ、キレイな状態を維持できます。ただ、気化するまでのばらつきがあり、直噴エンジンより少し多めに燃料を吹く必要があるため、燃料効率の面では分が悪い構造です。また、予め燃料を混ぜているため、圧縮中に混合気が異常燃焼(ノッキング)を引き起こす可能性があり、圧縮比を高めにくい構造です。
ガソリン直噴エンジン:燃料はエンジン燃焼室に高圧で直接噴射します。構造上ノッキングが起こりづらく、圧縮比を上げられ燃料効率を高くすることが可能です。ただし、今まで担っていたインテーク側の洗浄するガソリンがなくなるため、インテーク側に汚れが蓄積しやすく使用と共にエンジンの性能低下を招くことがあります。
ガソリン直噴エンジン特有の汚れ
①インテークバルブへのカーボン汚れ:今までであればインテークマニホールドから流れてきたガソリンによって洗浄されていたカーボン汚れを洗い流すすべが無くなっているため、汚れが溜まりやすい構造になっています。また、現代のエンジンは燃費改善・排気ガスの清浄化対策に排気ガス再循環システム(EGR)を積極的に多用する仕組みになっています。それにより、インテークバルブの汚れの堆積に拍車をかけています。
②直噴インジェクターのデポジット:燃焼室内部にインジェクターを設置していることから、どうしても熱に晒されてしまいインジェクター内部にデポジットが焼き付いてこびりつきやすい構造となっています。直噴エンジンのインジェクターはポート噴射インジェクターと比べ、高圧で緻密に制御することでエンジン性能を発揮しているため、インジェクター不調が与えるエンジン性能低下への影響が如実に現れやすいです。
JLMが提案する直噴エンジン洗浄ソリューション
①インテークバルブのカーボン汚れ:JLM J03190 ダイレクトインジェクションバルブクリーナー
ダイレクトインジェクションバルブクリーナーはインテークバルブにこびりついた頑固で硬いカーボン汚れを除去することに特化したクリーナーです。硬いカーボン汚れを柔らかく、剝がれやすくし、効果的にカーボン汚れを除去します。
②直噴インジェクターのデポジット:JLM J03170 GDIインジェクタークリーナー
GDIインジェクタークリーナーは、直噴インジェクターに溜まりやすい焼き付き汚れ等を効果的に溶解、除去できるよう特殊な処方で製造しております。高圧燃料システムにも洗浄効果を発揮させつつ、インジェクターにある微細な噴射孔もきれいにすることが出来ます。その結果、設計通りの燃料噴射が行え、インジェクター由来の燃費悪化、出力低下を改善することができます。
まとめ
ガソリン直噴エンジンは別に故障しやすいわけではなく、従来とはちょっと違うメンテナンスが必要なだけです。メンテナンス法を学習し、適切なメンテナンスをすることにより、高い性能を発揮し続けることが可能です。