最適なエンジン性能、保護性能を求めてユーザー並びに整備現場ではエンジンオイル添加剤を添加することがままあります。これらエンジンオイル添加剤は、フリクション低減、潤滑性能向上、エンジン熱効率の向上など、様々なメリットをもたらします。その中でも摩擦低減剤(FM)として二硫化モリブデン(MoS2)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、窒化ホウ素セラミック(BN)、Bortec(窒化ホウ素溶液)などがあります。ここでは様々な摩擦低減剤(FM)の比較、利点を解説します。

 

二硫化モリブデン(MoS2)の特徴:

①優れた潤滑性能:MoS2は金属表面に潤滑層を形成し、部品の摩擦抵抗と摩耗を軽減します。結果エンジン動作がスムーズになり、寿命が長くなります。

②極圧性が高い:MoS2は高温、高圧状態でもしっかりとした潤滑層を維持できるため、高負荷で使用するエンジンに最適です。

③熱安定性:広い温度範囲にわたって安定した潤滑性能を発揮します。

おすすめ使用例

-スポーツカー

-大型トラック・重機

-潤滑性能が弱い古いエンジン

ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の特徴:

①低摩擦:PTFEは固体材料の中でも最も摩擦係数が低い材料の一つであり、エンジンの摺動抵抗を大幅に軽減します。

②化学的安定性:PTFEは化学的安定性が高く、他のエンジンオイル成分や金属部品と反応しません。

③耐熱性:広い温度範囲にわたって安定した性能を発揮し、低温・高温環境下両方に対応します。

おすすめ使用例

-通勤車両

-極端な作動温度条件で使用するエンジン

窒化ホウ素セラミック(BN)の特徴:

①耐摩耗性:BNは非常に硬く、粒子間の結合が弱いため滑りやすい特性があり、摩耗を抑制します。

②高熱伝導率:熱伝導率が高く、エンジンオイルの吸熱・放熱性を高めます。

③化学的安定性:BNは化学的安定性が高く、他のエンジンオイル成分や金属部品と反応しません。

おすすめ使用例

-高性能スポーツカー

-レースエンジン

BorTec(窒化ホウ素溶液)の特徴:

①優れた潤滑性能: BorTecは、エンジン部品に保護膜を形成して摩擦と摩耗を軽減し、優れた潤滑性を実現します。 

②低摩擦:エンジンの摺動抵抗を低減することで、BorTec は燃料効率とエンジン全体の性能を向上させます。 

③拡散性:溶解した窒化ホウ素により、エンジン全体に均一に分散され、エンジン内部にまんべんなく浸透します。

おすすめ使用例

-エコカー/ダウンサイジングターボ車

-保護性能を高めたいと考えるユーザー

まとめ

– MoS2 は優れた極圧性能と熱安定性を持つため、高負荷な用途に最適です。 

– PTFE は低摩擦で科学的安定性を備えており、日常的な用途や極端な温度での用途など、幅広い用途に適しています。 

– 窒化ホウ素は高い耐摩耗性と熱伝導性を提供し、高性能スポーツカーやレーシングエンジンに最適です。 

– BorTec は、窒化ホウ素の利点と強化された潤滑性と長期的な保護を組み合わせ、効率と耐久性に重点を置いた現代のエンジンに最適です。